西麻布のビル、売却か資産活用か

人は誰でもいつかは亡くなります。
亡くなる時期は天命といいますか、自由に決めることはできないところではありますが、平成27年の相続税改正により、税負担は大きく変化しました。
改正前は、基礎控除5千万円、相続人一人当たりの控除額1千万円で、例えば配偶者と子供が二人(合計で相続人3人)の場合、相続財産が8千万円までは相続税が非課税でしたが、平成27年1月1日以降に亡くなった方の相続では、これらがすべて6割(基礎控除3千万円、相続人一人当たりの控除額6百万円)となり、非課税の相続財産枠が4800万円になって、税負担が増えています。
 このことをもって、税制改正という名の単なる増税という評価もありますが、従来の税制では、亡くなった人のうち、相続税が課税されるのは約5%といわれており、対象者が極めて限られる税制は公平性の問題があるとして、幅広い人に負担を求めるという趣旨もこの改正にはありました。
 何はともあれ、平成27年以降の相続税の増税と、折からの低金利が相まって注目を集めている不動産投資について、相続税の節税のためのマンション購入のメリットとデメリットを検証します。
 相続税の節税には、相続財産を小さくすることが効果的ですが、そのためのキーワードが”不動産”と”賃貸”です。
 現金や預貯金などは、額面通りの価値がありますが、不動産の相続税評価額は、毎年1回、国税庁が公表する路線価を基に計算します。
 路線価による評価額は、一般的に市場価格の7割程度といわれており、1億円の土地の相続税評価額が7千万円なら、現金のまま持っているよりも3千万円相続財産は小さくなります。
 また、不動産には、所有権のほかに、賃借人の権利として、借地権や借家権があります。借家人がいる不動産は、自由な利用が制限されるため、借地権や借家権は土地の利用価値を経済的に評価したものということができます。港区西麻布のような人気のエリアでは、路線価図に掲載されている借地権割合も高い割合になっています。
西麻布の標準的な借地権割合は70%ですが、地域によっては80%に達していて、これは、5千万円の土地に借地人がいる場合、借地人の権利は80%、所有者の権利は20%ということになります。
 そこで、西麻布にビルを所有している人が賃貸経営をしている場合、市場価格1億円の土地の評価が70%の7千万円、借地人の権利70%を引くと相続税評価額は2100万円になりますが、ビルを売却すると、売却した時に譲渡所得税がかかるほか、手元資金は額面通りの評価になります。
 一方、貸しビル経営のデメリットとリスクは、空室とメンテナンスです。
 西麻布のように人気が高いエリアでは、空室リスクが低いので、賃貸経営には好都合です。

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